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ドメインとは?仕組みや役割、種類について簡単に解説

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ビジネスや企業でWeb業務に携わっている方、個人ブログなどを運営している方は、日頃から「ドメイン」という言葉をよく耳にすると思います。なんとなく「ドメイン」という言葉は理解しているけれど、実はしっかりと考えたことがなかったという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、

  • 日頃からWeb業務や運営に関わっているけど、ドメインについてしっかりと考えたことがない
  • そもそもドメインについてよくわかっていないので、この機会に理解を深めたい

という方を対象に、ドメインの仕組みや種類などについて解説していきます。

ドメインとは

そもそもドメインとはどのようなものでしょうか。ドメインとは、簡単に言うと「インターネット上の住所」になります。Webサイトがどこにあるかを判断する情報として利用されます。

厳密には、「IPアドレス」という数字の文字列によって、Webサイトがどこにあるのかを判別されます。しかし、数字の文字列では人間が記憶することは難しいため、ドメイン名に変えることでWebサイトの住所をわかりやすくしています。

イメージとしては、ドメインでインターネット上の住所を指定して、ホームページやブログはその住所に建てられている「建物」だと考えてもらえるとわかりやすいと思います。

ドメインの仕組みと役割

ここでは、ドメインの仕組みと役割について解説します。ドメインの仕組みを知るために、例としてGoogleの検索ページを考えてみましょう。Googleの検索ページは、以下のようなURLになっています。

https://www.google.com

この中で、インターネット上の住所にあたるドメインは「google.com」の部分にあたります。ちなみに、「www.」の部分は「ホスト名」といって、対象のサーバーを識別するための名前です。

続いて、ドメインの役割について見ていきます。本来、ドメインは「IPアドレス」として数字の文字列で構成されています。しかし、IPアドレスは単なる数字の羅列となっているため、実際に人間がIPアドレスを見てインターネット上の住所を把握するのは非常に困難です。

例えば、先ほどのGoogleの検索ページを考えた場合、ブラウザ上部のアドレスバーに「https://www.google.com」と表示されていれば、「このページはGoogleの検索ページだ」と認識することができます。

しかし、例えばアドレスバーに表示されているのが「123.456.789.012」という数字の羅列では、「これはインターネット上のどこにあるページ?」と困惑してしまいますよね。

このような理由から、インターネット上の住所を人間が判断しやすい名前に変換するのがドメインの役割です。また、ドメインはWebページだけでなく、メールアドレスにおいても名前をわかりやすくしてくれる役割を担っています。

ドメインの種類

ドメインの仕組みや役割がわかってきたところで、次はドメインの種類について見ていきましょう。ここでは、ドメインの主な種類となる「独自ドメイン」、「サブドメイン」、「トップレベルドメイン」について解説します。

独自ドメインとは

独自ドメインとは、その名の通り「独自」に発行されたドメインです。つまり、地球上で1つしかないオリジナルのドメインとなります。

企業のホームページや個人ブログなどの形態を問わず、運営者が好きな文字列を指定して取得することができます。そして、 一度取得した独自ドメインは、自分だけのドメインとして会社のホームページやメールアドレス、個人のブログサイトなどに利用することができます。

ただし、注意点もあります。独自ドメインは自由に設定できる分、十分に使いこなすためには、運営者にそれなりのドメインに関する知識が求められます。また、取得する際の手続きや取得後のサーバーの設定や管理、運用コストもかかります。

そのため、独自ドメインを取得したい場合は、なぜ独自ドメインを取得したいかの目的を明確にした上で、独自ドメイン取得後の活用シーンまで想定しておくことが大切です。

サブドメインとは

サブドメインとは、「独自ドメイン」を分割するために任意で設定するドメイン名のことを言います。「XXX.com」に対して、「YYY.XXX.com」のように独自ドメインの前に文字列を入れてドメインを区分けするというもので、1つのドメインを用途別に分割したい時に使用します。

例えば、GoogleのWebアクセス解析ツールであるGoogleアナリティクスを例に考えてみます。GoogleアナリティクスのURLは「https://analytics.google.com」ですが、この中でサブドメインにあたる部分は「analytics」になります。

Googleの大きな括りである「https://google.com」を「analytics」のサブドメインで分割して、Googleアナリティクス用のドメインを作ったということです。

このサブドメインに関するメリットは主に2点あります。1点目は、コストを抑えることができる点です。ホームページなどを運営する数が増えると、その分のコストや手間がかかりますが、1つの独自ドメインを目的別に分割して使うことでコスト抑制が可能です。

2点目は、独自ドメインの評価をそのまま引き継げる点です。特にメインとなる独自ドメインの評価が高い場合、サブドメインもその高い評価を得られるという点もメリットになります。

一方でデメリットとしては、まずメインの独自ドメインの評価が低ければサブドメインにも影響が出る点です。これはメリットの裏返しですね。もう1つとしては、SSL証明書の費用がサブドメイン毎に発生する点もデメリットと言えます。

トップレベルドメインとは

トップレベルドメインとは、ドメイン名の中で「.」で区切られた最も右側にある部分を指します。このトップレベルドメインが最上位階層の識別となっていて、例えば「com」や「net」、「jp」といった部分が該当します。

また、トップレベルドメインは大きく分けて2種類あります。1つは、用途や組織種別などに応じて設置された「gTLD」(汎用TLD)、もう1つは国や地域ごとに割り当てられた「ccTLD」(国コードTLD)です。

独自ドメインのメリット

知識や運用コストなどの注意点もある独自ドメインですが、大きなメリットもあります。ここでは、独自ドメインのメリットについて主に2つ紹介します。

① 信頼が高まる

独自ドメインを持つと相手に信頼感を与えやすくなります。自社の組織名などをドメイン名とすることで、相手に理解してもらいやすくなるからです。

近年は特にフィッシング詐欺やスパムメールなど、情報セキュリティへの危機意識が高まっています。会社のドメインやメールアドレスが無料ドメインの場合、取引相手に不信感を与えてしまう要因になり得ます。

それがきっかけで、本来うまく行っていたはずの取引も決裂に終わってしまうおそれもあるかもしれません。そのため、ドメインが相手に与える印象は無視できず、独自ドメインであれば少なくともドメイン名だけで信頼を損なうリスクは回避できます。

もちろん、独自ドメインの場合でも相手が理解しやすい名称にすることが大切です。一般的には自社の組織名などにしておけば問題ないと思います。

② ドメインを資産として育てられる

独自ドメインを使うもう1つのメリットに、自己資産として育てていくことができるという点があります。

これまでの集客実績やSEO評価、他サイトからの被リンク数など、独自ドメインの運用と改善を続けていくことで、ドメイン評価を資産として積み上げていくことができます。

一方で、もしこれが無料ドメインである場合、サーバーの移転が発生するたびに新しいドメイン発行となるため、これまで培ってきたドメイン評価がリセットされてしまいます。

したがって、会社経営や個人ブログなどで継続的にWebサイトを育てていきたい場合は、中長期的な視点も見据えて独自ドメインを取得するメリットが大きいと言えます。

この点は、ドメイン運用にかかるコストも踏まえて、総合的に判断するとよいでしょう。

ドメイン名の考え方

ここでは、ドメイン名について考えていきます。ドメイン名は、なるべく短くて覚えやすい名前にしたほうが良いです。

短くて覚えやすい名前にしたほうが、ユーザーに見つけてもらえるからです。また、 ユーザーにドメイン名を入力してもらうこともあるため、短いドメイン名のほうが入力もラクになります。例えば、ある「温泉サイト」があったとします。その温泉サイトのドメイン名は、以下2つだったらどちらのほうがわかりやすいでしょうか。

  1. onsen-site
  2. xdlcindo1234unpicndpkin35on

間違いなく①ですよね。一目で温泉サイトであることがわかるためです。②だとそもそも何のサイトなのかがわからないですし、ユーザーが入力するのも大変です。

このように、ドメイン名はなるべくわかりやすく簡潔な名称にすることが重要です。企業名やサービス名などを含められると、ユーザーがさらに判断しやすくなります。

なお、ドメイン名は早いもの勝ちで決まりますので、狙ったドメイン名がすでに使われていないかの注意も必要です。なお、ドメイン名は先着順で決まる性質から、同じドメインはインターネット上で存在しません。

ドメインとサーバーの関係

続いて、ドメインとサーバーの関係について解説します。

ドメインとIPアドレスの関係

まずはドメインとIPアドレスの関係についてです。IPアドレスは、Internet Protocol Addressの略です。インターネット上では住所の役割を持ちます。しかし、一般的にIPアドレスだけでは不十分です。IPアドレスは、「123.456.789.012」のようにただの数字の羅列なので、これだけでユーザーが記憶することは困難を伴うためです。

私たちは普段さまざまなWebサイトを利用しているので、それらのWebサイトのIPアドレスを1つ1つ記憶することは現実的ではありませんよね。そこで、IPアドレスをわかりやすい形に直したのがドメインです。ドメインにすることで、ユーザーが記憶しやすい名称にすることができます。

DNSとは

ここでもう1つの重要な概念であるDNSについて解説します。DNSとは「Domain Name System」の略称です。先ほど説明したドメイン名とIPアドレスを関連づける役割を持ちます。

例えば、ある温泉サイトのドメイン名が「onsen-site」、IPアドレスが「123.456.789.012」だったとしましょう。この「onsen-site」と「123.456.789.012」が対応しているという仕組みを、DNSによって実現しています。

なお、この変換の仕組みは「名前解決」と呼ばれることもあります。「123.456.789.012」はわかりやすく言うとどんな名前?という疑問を、DNSによって解決しているからです。

ドメインの取得方法

ここからは、ドメインの取得方法を解説します。

ドメイン取得に必要な情報

ドメイン取得に必要な情報は以下のとおりです。

  • 契約者の情報
    • 住所
    • 氏名
    • 電話番号
    • メールアドレス
  • ドメインの情報
    • ドメインの登録者名(日本語または英語)
    • ドメイン管理者名
    • ドメインの所在地
    • 管理者の電話番号
    • 管理者のメールアドレス

ここでの注意点としては、ドメインの情報はインターネット上で公開されることです。そのため、公開前には慎重に判断するようにしてください。

メールアドレスの取得

独自ドメインでは、独自ドメインを活用したメールアドレスを取得できます。企業などではメールアドレスを利用する機会も多いので、メールアドレスも取得しておくとよいでしょう。

例えば独自ドメインが「onsen-site.com」だった場合、メールアドレスは「XXX@onsen-site.com」のようになります。ドメイン名とメールアドレスが対応しているので、運営側もユーザー側も判断しやすいですね。「XXX」の部分には、社員の氏名などを登録することが多いです。

ドメインの料金形態

通常、ドメインには利用料金が発生します。利用料金の種類は、大きく分けて取得料金と更新料金の2つがあります。ドメインを使い続けるためには、取得する際の料金だけでなく、その後の更新料金も支払う必要があるということです。例えば、代表的なドメインサービスである「お名前.com」を見てみると、取得料金と更新料金は以下のとおりです。

 

  • 「.com」ドメイン
    • 取得料金:1円
    • 更新料金:1,408円/年
  • 「.net」ドメイン
    • 取得料金:1円
    • 更新料金:1,628円/年引用:お名前.com(https://www.onamae.com/service/d-price/)

このように、取得料金が安くてもドメインの維持には毎年更新料金がかかります。長期間のドメイン運用を検討している場合は、更新料金にも注意しましょう。

ドメインのまとめ

本記事では、主にドメインについての理解を深めたい方、Web業務や運営に携わっていてドメインに関する知見を広げたい方を対象に、ドメインの仕組みや種類について解説しました。

ドメインは、自組織の情報などをユーザーにわかりやすく判断してもらい、信頼してもらうために重要な要素です。一方で、ドメインの維持には料金がかかることが一般的です。そのため、あらかじめドメインを取得する目的や運営する期間などを明確にしておくことが大切です。