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オンプレミスとは?メリット・デメリットやクラウドとの比較を解説!

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「オンプレミス」とはIT業界においてよく用いられる言葉であり、「クラウド」の対義語として使われます。しかし、「クラウド」という言葉はアップル社のiPhoneなどでよく使われる「iCloud」を代表として、インターネットの普及とともに一般的にもよく見聞きする身近な言葉となっていますが、この「オンプレミス」という方はIT業界にでも携わっていない限りはまず耳にせず、多くの人にとっては意味も分からない言葉なのではないでしょうか。


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オンプレミスとは?

それではオンプレミスとはいったいどういうことを意味しているのか、簡単に説明すると「企業が情報システムを自社の設備内に保有し、自社で運用、保守すること」、つまりクラウドのようなほとんどすべての作業を外部サーバーで処理することとは正反対の、すべてを自社内で運用する方法のことを指しています。オンプレとも略されます。

以前は自社内での運用、保守をおこなうことが当たり前だったため、オンプレミスとクラウドという定義わけ自体が不要だったのですが、クラウドが普及するに伴いその対義語として従来の運用方法のことをオンプレミス、と呼ぶようになりました。

これから先、通信速度などIT技術の進歩とともに、コスト面と手間の問題からオンプレミス型ではなく、外部委託型であるクラウドでの運用を用いる企業が増加していくことは容易に想像できますが、依然オンプレミス型での運用にも需要は残り続けるだろうと考えられています。

それではオンプレミス型のメリットとデメリットとは一体なんなのか。それぞれ見ていきましょう。

メリット

オンプレミス型で情報システムを運用する最大のメリットは「カスタマイズの自由度が高い」ことであると言えるでしょう。クラウド型でのシステム運用は外部サーバーで作業をおこなうため、システムをいじるということは難しいですが、オンプレミス型であれば自社に技術者さえいればすぐにでもおこなうことができ、自社にとって必要な機能のみを自由に追加していくことが可能です。そのため専門的な技術、機能が要求される分野で事業をおこなっている企業ほど、これから先もオンプレミス型での運用を採用するメリットがあると言えるでしょう。

次に自社のために作られたシステムでの運用のため、いままで使ってきた既存システムとの連携が容易なことも大きなメリットです。業務が多岐に分かれ様々な部門のある大企業や、業界歴何十年というたくさんの自社ノウハウを蓄えている企業ほど、従来のシステムとの連携は重要であると言えるでしょう。

最後に、セキュリティ上のメリットを挙げることができます。セキュリティ面における安全性についてはオンプレミス型とクラウド型、どちらが優れているのかは一概には言えないのですが、セキュリティ対策も運営元まかせとなってしまうクラウド型に比べ、すべて自社内でセキュリティ技術者を選定し、閉じている環境下でシステム改善、運用をまかなうこともできるため、外部に委託することの不安を払拭することが可能です。外部に一切インターネット接続せず、社内でのローカル通信のみでシステムを運営している場合は、その機密保持制は特に確固たるものとなるでしょう。

デメリット

たいしてオンプレミス型のデメリットですが、まず多くの企業にとって大きな問題となるのがそのコストの高さです。

自社システムを設けるためにサーバー、ソフトウェアとライセンスをはじめに購入し、システムを運営していくための技術者を雇い、カスタマイズ、セキュリティ対策をおこない…となると、初期費用だけでも相当な額になるだけでなく、ランニングコストにも相当な金額がかかることとなります。そのため、現在では多くの中小企業はコストの安いクラウド型でのシステム運用を採用しています。

また、システムを構築するにあたって準備期間が必要となります。クラウド型はすでに出来上がっているものを利用するだけなのでサービスにログインするだけですが、オンプレミス型ではシステム運用を準備するにあたって優秀な技術者の選定、利用するシステムの選定から始まり、サービス先との協議や交渉など、実際に運営を開始するまでに数週間〜数ヶ月の期間を要することとなります。

最後に、自社で運用をすべてをおこなうということはセキュリティ対策もそうですが、サーバールームの家賃や光熱費をはじめ、機器の故障、交換といったトラブルに対する費用もすべて自社で負担しなければなりません。

以上のように、莫大なコストと手間がかかる、というのがオンプレミス型のデメリットであると言えます。

オンプレミスクラウド違い

上記したオンプレミス型のデメリット、問題点を解決することができるのがクラウド型の特徴ですが、オンプレミス型とクラウド型サービスの特徴は表裏一体の関係にあります。つまり、オンプレミス型のメリットはそのままクラウド型のデメリットであり、オンプレミス型のデメリットはそのままクラウド型のメリットになると言うことです。

まずクラウド型は外部サーバーに用意されている汎用システムを利用するため、カスタマイズすることが非常に困難です。自社の既存システムとの連携などをおこなうためには既存システムをクラウドサービスに適応するように改良するほかなく、セキュリティ面においても完全にサービス先任せとなってしまうため、自社が完全に納得できる形での対策を取ることはできないと言えるでしょう。

その代わり設備投資を一切おこなう必要がなく、料金を支払えばすぐにでも運用開始することができるのがクラウド型サービス最大のメリットです。サーバールームの必要もなければ光熱費を支払う必要もなく、また機器の故障、交換もすべてサービス先がおこなうので余計なコストがかかることはありません。また先ほどセキュリティ方面について万全な形での対策は取れない、と述べましたが、クラウド型の場合専門のスペシャリストが多数在籍していることがほとんどなので、企業によっては自前で専門家を雇うよりもはるかに信頼できるセキュリティ対策がおこなえるとも言えます。

つまりはコストと手間がオンプレミス型に比べ格段にかからない、というのがクラウド型で運営していくことのメリットであり、数多くの中小企業を中心に爆発的に普及していった理由となります。

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オンプレミスからクラウド移行する方法

「オンプレミス型の運営はもう古い、これからはクラウドでの運営が業界のスタンダードだ!」と言い切ってしまうといささか暴論となりますが、オンプレミス型からクラウド型へと情報システムの運営を切り替えようとしている企業はとても多く、現在では8割近い企業がクラウド型の運営をおこなっていて、この先もクラウド型へと移行する企業は増え続けるであろうと言われています。
そんな数多くの企業が取り組んでいる自前の情報システムのクラウド化ですが、クラウド型に切り替えるにあたっていったいどのような方法があり、何に気をつけなければいけないのか、それぞれ見ていきましょう。

ファイルサーバーの移行

自社でのファイルサーバーの運用、管理は相当にコストと手間のかかる作業であり、クラウド先に任せてしまうことによって、多くの負担から企業は解放されることとなります。

しかし、現状ではすべてのデータをクラウド化してしまうのは、少し難しいケースが多いと言えるでしょう。まずコスト面での話からになりますが、クラウドでのデータ管理は従量課金制となっており、データをクラウド化し、業務で利用するために頻繁にデータ転送を繰り返す必要があるとなると、それだけで多額の費用がかさむこととなります。

また転送する際のスピードがオンプレミス型に比べ遅くなるので、業務スピードに支障が出る場合もあります。なので頻繁に利用するファイルに関しては、クラウド化せずに自社で運用するのが無難だと言えるでしょう。

次に、クラウド先ではオンプレミス型と同様の「アクセス権限」がおこなえない、というのも大きな弊害となります。既存の従来の設定方法ではActive Directoryと連携し、Windowsのエクスプローラーによってアクセス権の設定をおこなっているという企業が多いかと思いますが、この方法と同じやり方をクラウドサービスでおこなうことはできませんので、その対応に手間取ることになりますし、機密性の高い情報を安易にクラウドへと移行してしまうのも危険だと言えるでしょう。

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業務アプリケーションの移行

ERPなどの業務アプリケーションについても、ファイルサーバーと同様にどのアプリケーションをクラウド化し、どれを自社に残しておく必要があるのかを選別する必要があります。

まず自社内向けにカスタマイズされ、既存システムと連携しているアプリケーションについては、クラウド化しても通常通りに動作することができるかどうかをテスト、判断する必要があります。

またアプリケーションは頻繁なレスポンスが求められるため、クラウドに移行した際にレスポンスの速度が低下し、業務スピードが低下する恐れがあります。なのでアプリケーションと連携しているシステム、データベースも同様にクラウドに移行するのが得策だと言えるでしょう。

そして先述したようにクラウドデータは従量課金制となるので、頻繁にデータの書き込み、読み取りをおこなう必要のあるアプリケーションについては多額の費用がかかることになるので、こちらもクラウド化する必要があるのかどうか、十分に考慮する必要があります。

アプリケーションの移行にあたって、クラウド先のシステムでも正常に稼働するよう手を加える必要があることも多く、物によってはアプリケーションの設計そのものを根本から再構築しなくてはならないケースもあります。

クラウド化していく順番ですが、クラウドに移行しても問題なく稼働するアプリケーションから先に移行し、手を加える必要のあるもの、機密性の高い重要なデータを扱うものについては慎重にテストしてから移行していくのが無難だと言えるでしょう。

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クラウド移行するときの注意点

クラウド移行する際には、大きく分けてコスト、セキュリティ、運用体制と三つの観点に注意して移行をおこなわねばなりません。

注意点と、適切な対処方法を詳しく紹介していきます。

コスト

外部サーバーを借りることになるので、初期投資にかかる費用は月額料金のみ、購入費用やセキュリティ、メンテナンスにかかる費用も月額料金に含まれるので自社運用に比べてコストは圧倒的に少なく済みますが、従量課金制となるため膨大なデータのやりとりをおこなう際には注意が必要となります。

また従量課金のモデルは利用するデータの量だったり、利用するユーザーの数によって変化したりとサービス元によってまったく異なる物になるため、数あるサービスの中から自社の運営に適した物を選択する必要があります。

クラウド化する最大のメリットはやはりコストカットとなるなので、コスト面に関しては何よりも慎重に考えておいて損はないと言えるででしょう。

セキュリティ

オンプレミス型での運営に比べ、クラウド型に移行する際にはセキュリティ方面において多くの企業が不安を感じていることでしょう。

しかし、VPNなどをはじめとした近年のクラウド技術の普及と進化や、クラウド情報を専門に扱う企業だからこそできる多数の専門家によるセキュリティ管理などによって、現在では下手に自社でセキュリティ対策をおこなうよりも、安全かつ確実に機密性の高いデータを守ることができるとも考えられています。

とは言え先述したようにアクセス権限の問題や、自社アプリケーションをクラウド化した際に連携の不具合によるトラブルが起きたりなど、予想外の情報漏洩の可能性が起こることもありうるので、クラウド化する際にはサービス先に責任を丸投げするのではなく、自社で慎重に対応する必要があると言えるでしょう。

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運用体制

クラウド運用にあたって大幅なコストカットのほか、ノートパソコンやスマートフォンなどあらゆる端末からシステムが利用できるようになることも、クラウド化にあたっての大きなメリットです。現在では国を挙げてのテレワーク化への対応が早急に望まれていることもあり、助成金なども支給されいるため、場所を選ばず滞りなく仕事をおこなうことのできるクラウドでのシステム運用は今後ますます需要を増していくことでしょう。

とは言え、クラウド化することによって新たな問題点も浮き彫りになっているのが現状です。コロナ騒動による早急なクラウド体制での運用が望まれた結果、自社で十分な数の専門スキルを持つ人間が用意できず対応しきれないほか、新サービスに移行することによる社員の教育、今までになかった形でのトラブルが起き、その対処をおこなうことが困難であるなど、企業は今後新しい勤務形態へのノウハウを蓄え、対応していかねばなりません。

また今までになかった事態への対応のため、コストカットと言ってもとにかく安いサービス先を選べばいいというわけではなく、導入するにあたって運用する際の手順や方法を手厚くサポートしてくれるところを選択するのも重要です。そして自社内だけでは十分な運用体制が準備できない場合は、サービス先の他、人材もアウトソージングで集めることも必要となるでしょう。

オンプレミスクラウドのハイブリッド利用

説明してきたように、2020年現在においてはまだ自社システムの完全なクラウド化というのはリスクが高く、上手に現状のオンプレミス型と併用し、クラウドとオンプレミス両者のメリットを可能な限り引き出すことのできるハイブリッドな環境を、いかにして構築していくかが企業に問われています。ハイブリッドクラウドと呼ばれるオンプレミス・クラウド両方を利用する環境を構築することは、現代社会において非常に重要です。

メリット デメリット
オンプレミス
  • カスタマイズの自由度が高い
  • 既存システムの連携が可能
  • 自社でのセキュリティ対策が可能
  • 初期投資の費用、ランニングコストが高く、手間もかかる
  • システムを稼働するまでに準備期間が必要
  • 機器の故障やトラブルの費用も自社負担
クラウド
  • 費用は月額料金のみと低コスト
  • 準備期間の必要がない
  • 多数の専門家がセキュリティ対策をおこなってくれる
  • カスタマイズが難しい
  • 自社システムとの連携が難しい
  • 運営トラブル、セキュリティ対策が外部依存の形となる

 

オンプレミスのみの運用、クラウドのみの運用と比べ、ハイブリッドでの運用はシステム自体が複雑化してしまう傾向があり、完全クラウド化することに比べコストと手間もかかります。導入するにあたってどの部分をクラウド化し、どの分をオンプレミスとして残しておくのか、その取捨選択には企業の判断力、センスが問われることとなるので、十二分に考慮してクラウド化の作業をおこなっていかねばならないでしょう。

 

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