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ERPとは?SAPとの違いやパッケージ型システムの特徴まで解説!

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「ERP」という言葉、ご存知でしょうか?「Enterprise Resource Planning」の略称であり、日本語に訳すと「経営資源計画となります。とは言え、「経営資源計画」といきなり言われても、「それは一体何をすることなの?」とうまく想像できないかもしれません。この記事では、日本の経済を古くから支えてきたERPの歴史的な背景からメリット・デメリット、またオススメのERP製品まで幅広くご紹介致します。

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ERPとは

そもそも、経営資源っていったい何のことを指しているのか、この言葉だけでは分かりにくいですよね。詳しく説明すると、経営資源とはその会社にとって財産となるもの、つまり働いてくれる人々、会社の所有している商品などの物、会社が蓄えているお金、これら全体のことを意味しています。それに加え、現在では「価値のある情報」も、経営資源に含まれて言われることもあります。

経営資源計画、つまりERPはその「ヒト、カネ、モノ+情報」を一元管理することによって企業全体を把握しやすくし、企業にとって最も合理的な判断のサポートをするための業務システムのことを指しています。

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それでは、そのERP誕生のきっかけから、そのメリットとデメリットから詳しく見てみましょう。

ERP登場の背景や歴史

最初の商用メインフレームである「IBM System/360」が1964年に販売され、企業がビジネスを目的としたコンピューターの利用をしていくようになりました。

当時のメインフレームは商品の受発注、在庫と販売の管理、そして財務管理という、商売をする上でもっとも根幹となる物事の管理を中心に使われていました。メインフレームの利用により効率的な業務をおこなうことが可能となりましたが、やがてひとつの問題に突き当たります。

それは、当時のメインフレームは業務別、部門別に異なる設計で作られてそれぞれ独立していたため、その処理データを付き合わせて全体を俯瞰することが非常に困難だということです。その処理データを統合するためには人の手によって伝票を書き、経理がその情報を入力しなければならないという大変な手間が必要であり、また手入力のためミスが起きることがしばしばあるという問題点を抱えていました。

そこで登場したのが汎用統合システムです。1973年、ドイツのSAP社によってリリースされた「R/1」によって統一された設計規格の元にデータの一元管理が可能となり、可能となり、リリース当初こそ販売数は振るわなかったものの、長い時間をかけてERPは欧米を中心にその価値を認められ、導入されていきました。これが後にERPと呼ばれる概念の誕生となります。

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日本ではじめてERPが登場したのは1992年と、実に19年も遅れてのこととなります。SAP社の日本法人が同年に設立されたのがそのきっかけであり、その背景には「Business Process Re-engineering」略して「BPR」という既存の業務や組織のあり方、ルールづくりを見直し、それを再構築するという経営コンセプトが海外で注目しだされ、そのコンセプトの実現のためにERPが使われるようになり、日本もそれに着目しだしたということがあります。

しかし従来の日本の商習慣とBPRによる再構築は折り合いが悪く、普及するにあたっては日本独自の商習慣に合わせてカスタマイズしなければいけなく、高いコストがかかってしまうという問題点がありました。

その後日本でも海外の会計制度に合わせてグローバル化した企業が登場し始めたことと、長い時間をかけてERPも日本向けに作られたものや、国内の企業によって作られた製品が登場しはじめ、多くの企業にとって導入コストに見合った高いパフォーマンスが発揮されるようになりました。

こちらのページもご覧ください。誰に何を促すべきか、次のアクションを把握出来る製品をご紹介します。

2010年代に入り、コンピューターのクラウド化が進むとともに、低コストで高性能なシステムを保持でき導入の敷居がだいぶ下がったことで、ERPは爆発的な普及を遂げました。発売当初、日本においては大企業とグローバル化に貪欲な一部のベンチャー、中小企業を中心に利用されていたのに対し、現在では実に多くの企業がERPを採用しています。

ERPのメリット

ERP登場のきっかけとなった各部門の一元管理こそが、ERP導入のもっとも大きなメリットとなります。今まで人の手を使って入力していた手間がなくなり、コストカットができ手入力によるミスがなくなるとともに、企業全体を俯瞰して見れることで売り上げの改善や適切な人材配置がおこなえ、業務の効率化を図ることが可能となります。

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そして一元管理されたデータの中から知りたいデータだけを簡単に抽出、グラフ化することもでき、そのグラフを元に会議をおこなうことで余計な論争による経費、時間の無駄をカットすることができ、時代の流れに迅速に対応できるスピーディな経営判断が可能となります。

またクラウド化とともにERPは常に改良され続け、他の企業の成功ノウハウを参照、応用することが可能となっているのも大きなメリットです。

ERPのデメリット

メリットだけ見ると万能システムのように見えるERPですが、導入することによるメリットも少なからずあります。

まずERPはすでに世界において一大市場となっていて実に多数の製品が国内、海外ともに存在していて、それぞれの製品には特徴、癖があるため、どの製品が自社にとって最高のパフォーマンスを発揮することができるのか、その選定にはじっくりと長い時間をかける必要があるということです。

コストも導入する際の初期費用だけでなく、導入後もライセンス使用料、メンテナンス料とセキュリティ対策費用、そしてシステムのアップグレートにかかる料金など、継続的な費用が発生することになります。馬鹿にならない金額なので、選択ミスをしてしまうことでせっかくの費用と労力が無駄になってしまったという展開は必ず避けたいところですが、実際の企業を見渡してみると多くの企業がその判断を誤っていたりもします。

またデータを一元管理することによってもっとも不安になるのはハッキングによるデータの情報漏洩ですが、クラウド型ERPの普及とともにそのリスク対策をおこなう必要は、さらに十分に高まってきていろと言えます。

そしてデータの一元管理によって合理的な判断が可能になったと言っても、データを入力するのは人間であり、そのデータを元に意思決定し、行動するのもまた人間です。優秀な人材によって適切なデータ入力がおこなわれ、そのデータを元に最善となる施策がなされ、その経営コンセプトが浸透するよう明確に労働者に示され、労働者がそれを順守し行動して初めてERPの真価は発揮されます。あくまでも経営効率化のサポートをおこなうのがERPの役割であり、なんでも解決してくれる万能サービスではないということは肝に銘じておかなければなりません。

ERPの種類

パッケージ

企業全体の「ヒト、モノ、カネ+情報」を一元管理するための統合管理型ソフトウェアの事を、「パッケージ型」のERPと言います。

ERPという言葉は当初ソフトウェアのことではなく、企業のデータを一元管理する手法、概念のことを意味していましたが、ERPパッケージの普及に伴い、現在ではERPと言えば、その概念よりもソフトウェアであるERPパッケージのことを意味して使う機会が多いです。

クラウド

2010年代に入り普及した「クラウド型」のERPであり、ソフトウェアを購入、インストール必要がなく、インターネットに接続できる環境と対応するデバイスさえあれば利用することのできるERPを意味しています。

導入コストを抑えることができ、クラウド先のサーバーで処理するため自社でのメンテナンス作業やセキュリティ対策もサービス元に委託できるため、後述するオンプレミス型よりも低いコストでの運用が可能となっています。

また他のクラウドサービスとの連携をおこなうことも可能なため、クラウド技術の進化やクラウドサービスが充実することによって、今後大幅な進化を遂げる可能性があると期待されています。

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オンプレミス

パッケージソフトウェアを購入、インストールして導入し、メンテナンス作業もセキュリティ対策も基本すべて自社でおこなうタイプを「オンプレミス型」ERPと呼びます。要するにクラウド型ではないERPはすべてオンプレミス型ということになります。

自社にとって必要な機能のみを選択して運用することができる他、より自社に適した形にカスタマイズすることも可能だというメリットがあります。

導入コストは多くの場合クラウド型よりも高くつきますが、自社環境にもっとも適した形にできる上に、今まで使ってきた従来のシステムとの連携も可能、セキュリティ管理も自社でおこなえるため厳重な対策をおこなうことができます。

フルスクラッチ

「フルスクラッチ型」ERPは、パッケージ型の対義語として用いられます。例えていうなら建売住宅のように作ってから製品を販売するのがパッケージ型であり、顧客の要望を聞いてから望み通りの製品を作り販売していく完全オーダーメイドタイプが、フルスクラッチ型と呼ばれるものになります。

完全に0から作り出すため、フルスクラッチ型のERPを製作するコストは非常に高価なものとなります。しかし独自の商習慣を持つ日本の企業に対応でき、従来のERP製品を使っていて出てくる「もっとこういう機能が欲しかったなあ」というかゆいところにも手が届く設計ができるため、企業によってはその高いコストに見合った価値を出すことができるでしょう。

商用OSS

「OSS」とは「open source software」の略語であり、「商用OSS型」のERPはすべての人に対して開かれている商用ERPのことを指しています。厳密に言えば違うのですが、現在ではOSSの多くが無料での使用を許可しているため、「OSS=無料」という定義で用いられることがほとんどです。

無料での商用OSSERPは有料ERPと比較して品質が低いのではないか、と思う人も多いかと思いますが、OSSはすべてのプログラムが利用するすべての人に公開されていてそのソースコードを改良することが可能であるため、バグやプログラムの脆弱な部分などがあった場合、利用者が日々無償で改良してくれるので、かならずしも品質的に有料に劣っているとは限りませんし、またメンテナンス、セキュリティ対策の面でもコストカットできるというメリットもあります。

ただしOSSはあくまでそのソフトウェアの示す「ライセンス」の制限の元で利用することが決められていますので、その点に関してはくれぐれもご注意ください。ライセンス規約によってはそのソフトウェアを改良し再配布することが禁じられていたり、個人での利用は無償だが、商用目的での利用は有償、といったものもあります。

基幹システムとの違い

基幹システムとは「組織にとって不可欠な、根幹となるシステム」のことであり、一般的に基幹システムは「財務会計」「生産管理」「販売管理」「購買管理」「在庫管理」「人事管理」の六つのシステムを指しています。(企業によっては五つだったり、七つのシステムを指していることもあります)

ERPは部門別に分かれている基幹システムを統合、一元管理し、さらには基幹システムだけでは補えない情報システムなどをそこに加えたものとなります。ERPによって一元化したデータを俯瞰して見ることができ、マーケティング情報なども加え世の中の流れに適応した迅速で合理的な経営判断が可能となります。

ERP製品の比較

ERPを利用する上でのデメリットとして先述したように、市場に数多く出回るERP製品の中からどれが一番自社に適しているのか、それを見極めるのは大変困難であり、時間をかけるべき作業となります。

最後に代表的なERP製品の紹介、説明と比較をおこないますので、参考にしていただけたら幸いです。

月額利用料金 種類 特徴
NetSuite 200,000万円〜 クラウド型 ・シェア率NO.1のクラウド型ERP

・クラウド型でありながら、企業独自のカスタマイズ、アプリ開発が可能

OBIC7 要問い合わせ オンプレミス型、クラウド型両方から選択可能 ・ERP主要ベンダーにおける累計導入社数シェア16年連続NO.1

・導入コストは高いが、サポートが充実している

iDempiere 無料 OSS ・OSSであるため無料利用可能

・日本語でのコミュニティが活発

・JPiereという日本の商習慣に合わせたプラグインが存在

クラウドERP freee 要問い合わせ クラウド型 ・資金調達TOP100社数、41社で導入

・最低限の会計知識で利用可能

・会計、人事労務などのバックオフィス処理に悩む中小企業向け

SAP business One 116,016円〜 クラウド型 ・ERPシェアNO.1のSAPが運営

・中堅、中小企業向け

・クラウド型でありながら、オンプレミス型のSAPとほぼ同じ機能を実装

Dynamics 365 ユーザー数に応じて変化 クラウド型 ・Microsoft社が運営、officeシステムとの親和性が高い

・ERPだけではなく、CRM(顧客管理システム)も統合されている

Oracle ERP Cloud 60,000円〜 クラウド型 ・データベースシェアNO.1のOracleが運営

・OracleはCRM、マーケティングオートメーションで高いシェア率を誇っていて、連携が可能

GLOVIAきららクラウド版 15,000円〜 クラウド型 ・国内シェアNO.2の富士通が運営(NO.1はSAP)

・必要な機能のみを導入、組み合わせることができる

 

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